エコビジネスデータバンク

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【SDGs】化粧品向け植物由来原料供給へ(GSIクレオス)

 

 生分解性樹脂「マタビー」の輸入代理店であるGSIクレオス社がSDGsの達成に貢献する新たな植物由来化粧品原料の供給を開始した。

 

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NASAが注目する植物由来化粧品原料

 GSIクレオス社はフランスのバイオテックマリン社の「セルトゾーム」から海洋植物(マリンプラント)由来の植物幹細胞原料を輸入・販売する。欧州に生息する希少な植物エリンジウムマリチマムの植物幹細胞をバイオリアクター(培養器)で大量培養し、フリーズドライによって粉末化に成功した新たな化粧品原料

 

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植物エリンジウムマリチマムの住む海岸イメージ

 由来となっている植物はポリフェノールを豊富に含んでおり、塩分濃度の高い海洋中でも生存出来る強靭な生命力を有しており、NASAが注目しているパワープラントである。しかしながら、希少な海洋植物であるため保護対象植物となり、原料として安定供給することが難しかった。原料としての可能性に着目したバイオテックマリン社が独自の培養技術で原料化を達成した。

 

 

 上記化粧品原料を既存の化粧品に0.05%程度添加することで紫外線からの保護、肌のハリ、潤い、滑らかさの改善、アンチエイジング効果が期待出来る。さらには天然生物の培養により作られた新規化粧品原料であるため、既存の合成材料と異なり、有機溶媒フリー防腐剤フリーといった強みがある。

 

 

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・化粧品原料の生分解性予測技術(資生堂&NITE)


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