【新素材】古紙と生分解性プラスチックから新素材(カミーノ)
紙のサスティナブルな利用開発を行うベンチャー企業「株式会社カミーノ」が紙と生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)を複合化した低環境負荷材料「PAPLUS(パプラス)」を発表した。
目次
技術内容
株式会社カミーノが開発した「PAPLUS(パプラス)」は牛乳パックや古紙とサトウキビやトウモロコシ由来の生分解性プラスチックであるポリ乳酸(PLA)を複合化させ、従来の石油由来プラスチックと同様の使用が可能である。牛乳パックや古紙を原料として使用するため、紙の資源循環を実現することが出来る。また、主材となるプラスチックはサトウキビやトウモロコシ由来のバイオマスプラスチックであり、脱石油プラスチックにも貢献することが出来る。さらには、PLAは生分解性を示すため、コンポストによる堆肥化が可能であり、従来の石油由来プスチックと比較して二酸化炭素の排出量を削減出来る(カーボンニュートラルな材料である)。
「PAPLUS(パプラス)」の強み
・植物由来で低環境負荷材料である
・植物由来成分96%以上(世界最高水準のサステイナビリティ)
・既存のPLAと比較して高い耐熱性、耐久性を有する
・既存石油由来プラスチックと比較して二酸化炭素排出量が75%減
(カーボンニュートラルの考え方を採用した場合)
・食品衛生法(告示第370号)に準拠している
・自然界に流出してしまった場合にも分解する
・粉砕することでリサイクルが可能
・特許により製品が守られている
「PAPLUS(パプラス)」の採用事例
バイオマス材料、生分解性材料として注目度の高い「PAPLUS(パプラス)」の採用が広まっている。2020年7月にはイギリス発のオーガニックコスメ、ヘルス&ビューティーブランドである株式会社ニールズヤードレメディーズ社と「PAPLUS(パプラス)」を使用した「マルチエコカップ」を開発している。キャンペーンのノベルティとして市場に流通し始めている。
終わりに筆者から
バイオマス率(植物由来率)が96%以上と既存製品群と比較しても非常に高い値であることから、低環境負荷材料として期待する。一方で、ここ数年で「紙+石油由来プラスチック」「紙+生分解性プラスチック」等の特許出願が多数確認されている。各社が低環境負荷材料をラインナップする中で、どう差別化していくかが課題となるだろう。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★★☆
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