【NEDO】セメント製造工程でカーボンリサイクル技術確立へ
経済産業省はセメント製造工程の二酸化炭素再資源化(カーボンリサイクル)技術の開発に着手する。技術開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(略称:NEDO)の交付金事業としてプロジェクトを実施。
目次
カーボンリサイクルプロジェクト発足の背景
セメント産業は他産業から廃棄物、副生物を受け入れ、原燃料に活用して資源循環に貢献しているが、二酸化炭素排出量の面から環境に与える影響は大きい。エネルギー多量消費産業であり、セメント1 tを生産するのに二酸化炭素を600 kg以上排出する。省エネルギー化に加え、プロセス由来の二酸化炭素排出量の大幅な削減が必要である。そこで、政府が革新的環境イノベーション戦略「炭素再資源化セメントプロセス技術」を技術開発テーマに新たに加えた。経済産業省がこれを受けてカーボンリサイクルの実証プロジェクトをスタート。
カーボンリサイクルプロジェクト詳細
NEDOの交付金事業としてプロジェクト化されたカーボンリサイクル技術の確立では、セメント製造で発生する二酸化炭素を分離回収して炭酸塩として固定化、原料や土木建設資材として再資源化するCCUS一貫プロセスを目指す。技術開発の肝は化学吸着法による高効率な二酸化炭素吸着技術の確立となる。日産10 t規模の回収設備を建設し、実際にセメント製造工程に適応した場合の物質収支や熱収支を評価する。さらに、生コンスラッジに二酸化炭素を吸収させて炭酸化する技術、廃コンクリートに二酸化炭素を吸収させて炭酸カルシウムを生成してセメント原料に循環させる技術の開発を進める。プロジェクトは2020年よりスタートし、2030年を目途に実用化を目指す。予算は17憶円となる。
技術内容評価
【新規性】
★★★☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★☆☆☆
【投資対象度】
★☆☆☆☆
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外部リンク
・炭素循環型セメント製造プロセス技術開発(NEDO) HP
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100180.html