トリニダード・トバゴで100万トン規模のメタノール製造工場稼働(三菱ガス化学、三菱重工エンジニアリング、三菱商事)
トリニダード・トバゴで三菱ガス化学株式会社、三菱重工エンジニアリング株式会社、三菱商事株式会社が共同で出資するメタノールの新工場が商業運転を開始すると発表した。次世代エネルギーとして注目される水素の運搬手段などにも使用されるメタノールはSDGsの観点からも産業的な価値が高い。今回は基礎化学品として注目されるメタノールの大規模な新規工場稼働に関する情報を提供します。
出典:三菱重工 | トリニダード・トバゴ共和国におけるメタノール/ジメチルエーテルプラントの商業運転開始についてより引用
目次
詳細情報
トリニダード・トバゴで三菱ガス化学株式会社、三菱重工エンジニアリング株式会社、三菱商事株式会社が共同で出資するメタノールの製造新工場が商業運転を開始すると発表した。メタノール新工場への投資総額は1,000億円程度で各社の出資額は、三菱ガス化学が270憶円、三菱重工エンジニアリングが180億円、三菱商事が270憶円、現地企業が300億円程度。新工場のメタノール生産能力は100万トン/年で、80%にあたる80万トンを三菱ガス化学と三菱商事が半量ずつを販売する。
メタノールの用途
メタノールは基礎化学品に分類され、接着剤、農薬、塗料、合成樹脂、合成繊維、心臓病薬の原料等、様々な分野に原料として利用されている。また、船舶燃料としての利用や注目素材の水素の運搬手段としても使用される。
メタノール誘導体
- ホルムアルデヒド
- 酢酸
- ジメチルエーテル(DME)
- メタノール由来オレフィン(MTO)
- メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)
- テレフタル酸ジメチル(DMT)
- メタクリル酸メチル(MMA)
- メチルアミン
メタノールの市場情報
メタノールの世界需要は8,100万トン/年(2020年度)で、2021年以降も市場成長が見込まれている。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で10円/kg程度価格が低下しており、メタノール製造最大手メタネックス社がトリニダード・トバゴのメタノール工場を停止するなど、今後の市場動向は注視すべきだろう。
技術内容評価
【新規性】
★☆☆☆☆
【経済への影響度】
★★☆☆☆
【SDGs貢献度】
★★☆☆☆
【実現性】
★★★★★
【投資対象度】
★★☆☆☆
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外部リンク
三菱ガス化学株式会社 HP
三菱重工エンジニアリング会社 HP
https://www.mhi.com/jp/group/mhieng/homepage
三菱商事株式会社 HP
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/