【ケミカルリサイクル】スチレンモノマーに戻す実証へ(PSジャパン)
ポリスチレン(PS)樹脂国内大手製造メーカーであるPSジャパン株式会社が東芝プラントシステムと使用済みのポリスチレンを熱で分解して原料のスチレンモノマーに戻すケミカルリサイクルの実証設備建設を開始すると発表した。今回はPSジャパン株式会社のケミカルリサイクルに関して詳細な情報を提供します。
出典:環境への取組み|PSジャパン株式会社より引用
目次
詳細情報
PSジャパン株式会社と東芝プラントシステムは使用済みのポリスチレンを熱で分解して原料のスチレンモノマーに戻すケミカルリサイクルの実証設備建設を開始すると発表した。両社間で基本設計契約を締結し、2021年3月には詳細設計や見積もりを盛り込んだ本契約を締結する。2021年度中にはケミカルリサイクル実証プラントの着工に入る予定だ。実証検討では食品トレーや家電製品の部品など様々な使用済みのポリスチレンを投入する予定。実証プラントで製造されたスチレンモノマーの成分検証を行い、早期の実用化を目指す。実証プラントの規模は1,000~数千トン/年を想定している。
東芝プラントシステム独自技術の特徴
・ケミカルリサイクル回収率が高い
・石油由来モノマー製造と比較して二酸化炭素の排出量が少ない
筆者の個人的な意見
ケミカルリサイクルはマテリアルリサイクルと比較してプラスチック性能の低下を防ぐことが出来るため、プラスチック産業界の主流となっていくと考えている。また、ポリスチレンは少ないエネルギーでスチレンモノマーまで分解することが可能であるため、ケミカルリサイクルを牽引するだろう。しかしながら、ポリスチレンのケミカルリサイクルに各社が取り組み始めており、東洋スチレン社は2021年度末に千葉市原工場に実証プラントを製造する予定。DIC社はエフピコ社とタッグを組み、2022年中に数千トン規模の実証設備を設ける計画を立てている。どの企業がポリスチレンケミカルリサイクルの覇権を取るか注目し、慎重に投資対象を決定すべきだろう。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★☆☆
【実現性】
★★★☆☆
【投資対象度】
★★☆☆☆
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外部リンク
PSスチレン社 HP
東芝プラントシステム社 HP
https://www.toshiba-tpsc.co.jp/