セルロースナノファイバーを使用した化粧品原料販売(中越パルプ工業)
中越パルプ工業株式会社がセルロースナノファイバー(CNF)「nanoforest(ナノフォレスト)を使用した化粧品用途向け原料の販売を丸紅株式会社と共同で始めたと発表した。今回は中越パルプ工業社と丸紅社が開始した取り組みについて紹介します。
引用:https://www.chuetsu-pulp.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/05/nanoforest.pdfより引用
目次
中越パルプ工業株式会社とは
中越パルプ工業株式会社は富山県に本社を置く中堅の製紙メーカーで、王子ホールディングス株式会社の持分会社。新聞用紙、印刷用紙、包装用紙など幅広い紙材料を製造・販売している。近年ではセルロースファイバー事業にも注力しており、水中対向衝突法(ACC法)で製造した「nanoforest(ナノフォレスト)」を上市している。
また、2018年には株式会社環境経営総合研究所との合弁会社「中越エコプロダクツ株式会社」を設立。中越エコプロダクツ株式会社では紙パウダーと石油由来のプラスチックをコンパウンドした「MAPKA(マプカ)」を製造している。
中越パルプ工業株式会社は「nanoforest」「MAPKA」など幅広い環境材料を手掛ける注目の環境対応企業である。
nanoforest(ナノフォレスト)とは
「nanoforest(ナノフォレスト)」は原料に未利用竹材を含む国産竹100%の天然繊維を用いているのが特徴。また、他社がラインナップするセルロースナノファイバーは化学修飾し、解繊しているのに対して、「nanoforest(ナノフォレスト)」は水の力を用いて解繊する水中対向衝突法(ACC法)を採用しているため、バイオマス率が高いことが特徴となる。また、水中対向衝突法(ACC法)を用いて解繊した「nanoforest(ナノフォレスト)」は親水面と疎水面を有する両親媒性を有する。
詳細内容
中越パルプ工業株式会社は水中対向衝突法(ACC法)で製造するセルロースナノファイバー「nanoforest(ナノフォレスト)」を使用した化粧品用途向け原料を丸紅株式会社と共同で販売することを発表した。化粧品市場では環境に配慮した原料、特にサスティナブルなバイオマス由来材料に対する需要が高まっており、販売拡大が見込まれる。ナノフォレストはチキソトロピー性を有しているため、増粘効果や保湿性向上、乳化材フリーでの乳化安定性向上に期待出来る。
実際に「nanoforest(ナノフォレスト)」は化粧品原料として、株式会社nijito社の「バウンドクッション」に採用されている。粉体分散性向上や乳化安定性、触感改良を実現したことが採用につながっている。
引用:https://www.haru-shop.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=122402より引用
さらに、同社のボディウオッシュ「スムースファイバーウオッシュ」、ボディミルク「スキンバリアミルク」に採用されているとのこと。
引用:https://www.haru-shop.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=15060101より引用
技術内容評価
【新規性】
★★★☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★★
【投資対象度】
★★★★☆
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外部リンク
中越パルプ工業株式会社
https://www.chuetsu-pulp.co.jp/
丸紅株式会社
王子ホールディングス株式会社
https://www.ojiholdings.co.jp/
株式会社環境経営総合研究所
中越エコプロダクツ株式会社
http://www.chuetsu-ecoproducts.co.jp/