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バイオマス由来化粧品原料拡充へ(三洋化成工業)

 

 三洋化成工業株式会社バイオマス由来となる化粧品原料の拡充を発表した。米由来の新規素材「コメファイン」を日焼け止めに添加することで複数の機能性が発現可能となる。機能性かつ環境配慮型素材として採用を狙う。今回は三洋化成工業株式会社バイオマス由来化粧品原料について詳細な情報を提供する。

 

 

 

 

 

目次

 

 

 

 

 

 

三洋化成工業株式会社とは

 

 三洋化成工業株式会社界面制御技術微粒子製造に強みを有する総合化学メーカー。自動車、住宅、化粧品、パーソナルケア、電気電子、医療など幅広い分野に素材の提供を行っている。近年では売上の4割が自動車分野となっている。また、高吸水性樹脂(通称SAP:Super Abssorbent Polymerの頭文字)の製造販売では世界トップクラスである。

 

 また、三洋化成品工業株式会社は化粧品業界向けの事業を強化するため、2019年に専門部門を設け、強みである界面制御技術微粒子製造のノウハウを活かした化粧品素材の開発に力を入れている。

 

 

 

 

 

詳細内容

 

 三洋化成工業株式会社が新たに開発した米由来のSPFSun Protection Factorの略)向上剤「コメファイン」は日焼け止めに添加することで紫外線を防ぐ機能を高めつつ、テクスチャーなどの使用感の改良が見込まれる。

 

 日焼け止めに使用される紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の課題を「コメファイン」は解決し得る材料とのこと。実際に「コメファイン」を添加することで紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の使用量をそれぞれ25%減らしてもSPF50+(最高値)を維持することが可能となる。

 

 また、「コメファイン」には米ぬか由来の天然紫外線吸収剤「フェルラ酸」が含まれており、紫外線吸収能力が高い。さらに「コメファイン」は乳化作用を有していることから紫外線散乱剤の分散性を高め、白浮きやべたつきを解消する効果もある。

 

 

コメファイン」中に含まれるフェルラ酸の構造

 

 

 

 

 

紫外線吸収剤とは

 

 紫外線吸収剤は材料自体が紫外線を吸収し、熱エネルギーや赤外線に変換することでエネルギーを放出させ、紫外線が肌に到達するのを防止します。紫外線吸収剤は透明で皮膚に塗った際に白くなりにくいが、化学物質による肌のかぶれを引き起こす場合がある。代表的な紫外線吸収剤として「メトキシけい皮酸オクチル」「t-ブチルメトキシベンゾイルメタン」などが挙げられる。

 

 

「メトキシけい皮酸オクチル」の構造

 

 

 

紫外線散乱剤とは

 

 紫外線散乱剤は紫外線を反射、散乱させることで皮膚に紫外線をが到達することを防止する。一般的に用いられる紫外線散乱剤は金属酸化物であるため、白色粉末となる。そのため、日焼け止めに配合した際、白浮きする場合がある。代表的な紫外線散乱剤として「酸化チタン」「酸化亜鉛」が挙げられる。

 

 

 

 

 

技術内容評価

【新規性】

★★★★★

【経済への影響度】

★★★★☆

SDGs貢献度】

★★★★☆

【実現性】

★★★★☆

【投資対象度】

★★★☆☆

 

 

 

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外部リンク

三洋化成工業株式会社

https://www.sanyo-chemical.co.jp/

 

 

 

 

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