脱プラボトルで環境配慮型「固形シャンプー」開発(株式会社マックス)
「無添加 泡の石けん ボディーソープ」などを販売する株式会社マックスがプラスチックボトルを使用しない、固形のシャンプー及びコンディショナーを開発した。環境配慮型製品への関心が世界的に高まるなか、脱プラスチックの取り組みを強化。今回はマックス社の脱プラスチック製品「固形シャンプー」の詳細な情報を提供します。
目次
詳細情報
無添加石鹸や入浴剤を手がける株式会社マックスが環境配慮型製品として固形シャンプーを開発した。既存の液状シャンプーから固形シャンプーにすることでプラスチック容器を使用せず、サスティナブルな紙製容器への変更を達成。年間40万トンのプラスチック削減を見込んでいる。マックス社は2018年以前にシャンプー及びコンディショナーの固形化に挑戦していたが、髪のごわつきなどを改善できずに開発を中断。しかしながら、近年の環境意識の高まりを理由に2019年より開発に再度着手した。開発した固形シャンプー、コンディショナー、ボディーソープを「The・BAR(ザ・バー)」シリーズとして販売している。
「The・BAR」シリーズの特徴
マックス社は従来の洗浄成分である脂肪酸石けんと水道水中のミネラル分が結合して金属石けんが生じることで髪にきしみが生じることを特定。「The・BAR」シリーズの固形シャンプーは新たな洗浄成分「ココイルイセチオン酸Na」を採用することできしみがなく、液状シャンプー以上のヘアケア機能の発現に成功。
固形コンディショナーでは既存技術では不可能であった原料の一体化を、独自の加熱溶解プロセスを組み込むことで達成している。
ココイルイセチオン酸Naの正式名称、構造、成分
ココイルイセチオン酸Na(化粧品成分表示名)はイセチオン酸(IUPAC名:2-ヒドロキシエタンスルホン酸、タウリン類似物質)とヤシ油由来の脂肪酸との脂肪酸エステル。医薬部外品表示名称はヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸Na。化学構造を以下の通り。
イセチオン酸の化学構造
ココイルイセチオン酸Naの化学構造
ココイルイセチオン酸Naの安全性
ココイルイセチオン酸Naは医薬部外品原料規格2006に収載されており、1929年から商業的な利用実績がある安全性の高い物質です。その構造から生分解性が高く、環境中に排出された場合にも環境汚染を引き起こす可能性は低いと推定される。
技術内容評価
【新規性】
★★★☆☆
【経済への影響度】
★☆☆☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★☆☆
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外部リンク
株式会社マックス HP
マクアケ HP