軟包装印刷用グラビアインキをバイオマスインキへ切り替え(大日本印刷 DNP)
大日本印刷株式会社(DNP)が軟包装用印刷インキをバイオマスインキに切り替えることを発表した。これまで一部のブランドオーナー向けのみにバイオマスインキを使用していたが、今後は全面的に切り替えていく。今回は大日本印刷社のバイオマスインキへの切り替えに関して詳細な情報を提供します。
出典: DNP 大日本印刷より引用
目次
詳細情報
大日本印刷株式会社(DNP)は軟包装印刷に使用するラミネート用グラビアインキをバイオマスインキに切り替える。2021年1月からバイオマスインキへの切り替えを行い、年間800t以上の二酸化炭素削減効果を見込んでいる。バイオマスインキは一部に植物由来の原料を使用しているが、石油由来インキと同等の物性を持ちあわせている。既存の石油由来インキと同様にレトルト用途、ボイル用途、電子レンジ用途などの高機能軟包装材への適応が可能。また、同バイオマスインキは日本有機資源協会によるバイオマスマーク(バイオマス10)を取得している。
出典:JORA バイオマスマークより引用
同社はバイオマスインキへの全面切り替えを実施するとともに、廃糖蜜などの一部を原料に用いたバイオマスプラスチック「バイオマテック」と組み合わせることで環境問題解決に貢献する予定だ。
筆者の個人的な見解
今回の発表では軟包装のラミネート用インキのバイオマスインキへの切り替えがターゲットとなっている。全てを切り替えた場合、年間800tの二酸化炭素削減が見込めるとされているため、ある程度の二酸化炭素削減効果があることは事実だ。しかしながら、大日本印刷社全体で排出している二酸化炭素総量は遥かに多いと推定される。今後はさらに様々な製品群のバイオマス化、脱石油化に期待したい。
技術内容評価
【新規性】
★★★☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★★★
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外部リンク
大日本印刷株式会社 HP
有機資源協会 HP
https://www.jora.jp/index.html