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東大伊藤教授らがマルチロック型生分解性プラスチック開発へ(ムーンショット)

 

 東京大学伊藤耕三教授らの研究グループが複数の刺激を受けた場合のみ生分解する新規なプラスチック開発に着手する。この開発は内閣府が定めるムーンショット型研究開発制度「生分解のタイミングやスピードをコントロールする海洋生分解性プラスチックの開発」の一環として取り組む。今回はマルチロック型海洋分解性プラスチックの開発に関して詳細な情報を提供します。

 

 

 

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マルチロック型バイオポリマー開発へ(ムーンショット

出典:https://www.nedo.go.jp/content/100923468.pdfより引用

 

 

 

 

 

目次

 

 

 

 

 

開発背景

 

 近年、欧州を中心に環境意識が高まり、海洋プラスチックごみ問題が注目されている。プラスチックは耐久性に優れ、日常生活で数多く使用されているが海洋を始めとする自然環境で分解し難い性質を持つ。そのため、ひとたびプラスチックが海洋に流出されてしまうと分解されずに海洋中を漂うことになる。特にワンウェイ包装、タイヤ摩耗粉、繊維、漁網は海洋への流出量が多く、回収が困難であることから海洋分解性プラスチックへの置き換えが求められている。

 

 

 

 

 

詳細情報

 

 海洋分解性プラスチックの需要が高まる中、東京大学 伊藤教授がプロジェクトマネージャーとなり「非可食性バイオマスを原料とした海洋生分解可能なバイオポリマーの研究開発」で用途毎に最適化された海洋生分解性ポリマーの開発を進める。新規な海洋分解性ポリマーの開発は内閣府主導のムーンショット型研究開発制度「生分解のタイミングやスピードをコントロールする海洋生分解性プラスチックの開発」の一環として取り組む。伊藤教授らのグループでは複数の刺激を与えない限り分解が開始しないマルチロック型の海洋分解性プラスチックを開発する予定。今までとは異なるアプローチで既存の海洋分解性プラスチックが持つ課題の解決を試みる。また、プロジェクトへ三菱ケミカルHDブリジストン帝人クレハ等の名だたる化学メーカーの参画が決定しており、三菱ケミカルHDが汎用プラスチック分野、ブリジストンがタイヤ分野、帝人が繊維分野、クレハが漁網分野を担当する。

 

 

 

 

 

技術内容評価

【新規性】

★★★★★

【経済への影響度】

★★☆☆☆

SDGs貢献度】

★★★★☆

【実現性】

★★★☆☆

【投資対象度】

☆☆☆☆☆

 

 

 

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外部リンク

 

東京大学 伊藤研究室HP

http://www.molle.k.u-tokyo.ac.jp/

 

ムーンショット型研究開発制度採択テーマ

https://www.nedo.go.jp/content/100922202.pdf

 

 

 

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