【環境問題】CLOMAが海洋プラスチックごみ問題に具体的な行動計画発表
「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(略称:CLOMA)が海洋プラスチックごみ問題(マイクロプラスチック)解決にむけた行動計画を発表した。2050年までにプラスチック製品を100%リサイクルするためのロードマップを策定した。
目次
CLOMAとは?
「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(略称:CLOMA)は海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)問題に取り組む企業の連携組織で、会員数は340社程度(2020年9月時点)。化学、製紙、成形加工、食品、飲料、流通、リサイクル業など多種多様な業界から企業が参加している。海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)問題を解決するため、企業間の垣根を越えて、各社が持つノウハウや技術を共有し、大きなイノベーションが期待される。
目標概要
CLOMAが海洋プラスチックごみ問題を解決するために、プラスチック使用量の削減、リサイクル技術の向上、石油由来プラスチック代替バイオマス材料(生分解性プラスチック)の開発等の5つのKey actionを定め、30年規模の目標を設定した。最も力を入れるのがリサイクル技術の向上だ。日本のプラスチックリサイクル水準は世界と比較して大きく劣っており、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル率向上を図る。
Key action 1 「プラスチック使用量削減」
Key action 1は「プラスチック使用量削減」である。海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)問題解決に最も有効的な目標がKey action 1。具体的には洗口液容器の薄肉化やリデュースを進める。
実施目標期間:2021年~2022年 洗口液容器のリデュース実証実験
Key action 2 「マテリアルリサイクル率向上」
Key action 2は「マテリアルリサイクル率向上」である。繰り返しになるが日本はマテリアルリサイクルを苦手としており、Key action 2が難題となるだろう。具体的には1. 飲料PETボトルの高回収、マテリアルリサイクル技術の確立。2. トイレタリー製品(シャンプーボトル、詰め替え容器)のマテリアルリサイクル技術の確立。
実施目標期間:2020年~2022年 マテリアルリサイクル率向上
Key action 3 「ケミカルリサイクル技術の開発と社会実装」
Key action 3は「ケミカルリサイクル技術の開発と社会実装」である。リサイクル率100%を達成するために欠かすことの出来ないKey actionが3となる。汚れや不純物が付着しマテリアルリサイクルが困難なプラスチックをリサイクルするためにはケミカルリサイクルを実施する必要がある。そこで、CLOMAはケミカルリサイクルで日本が世界をリードする技術開発を行う。
実施目標期間:2021年~2022年中旬 食品軟包装のケミカルリサイクル技術確立
Key action 4 「生分解性プラスチックの開発と流通」
Key action 4は「生分解性プラスチックの開発と流通」である。海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)問題を複雑化させているのが、モラル崩壊によるプラスチックのポイ捨てや不法投棄である。この様に、不意に自然環境に流出してしまうプラスチックごみを解決するためには、生分解性(海洋分解性)プラスチックが欠かせない。
実施目標期間:2020年~2022年中旬 生分解性プラスチックのコンポスト化
Key action 5 「紙・セルロース素材の開発と利用」
Key action 5は「紙・セルロース素材の開発と利用」である。プラスチック総量を削減するため、様々なプラスチック製品が紙製材料への切り替えが進んでいる。代表的な紙製材料が日本製紙のシールドプラスだ。今後、成長する市場と考えられ、海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)問題を解決出来るか注目だ。
実施目標期間:2020年~2030年 紙製材料の普及及びマテリアルリサイクル
終わりに
CLOMAが海洋プラスチックごみ問題解決に具体的な目標を設定したが、海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)問題は世界が一丸となって解決しなくてはならない。海洋プラスチックごみ(マイクロプラスチック)は国境を越え、全世界に拡散している。また、日本から海洋に流出するプラスチックごみの割合は全体の1%に過ぎない。CLOMAの取り組みが世界標準となり、世界的に問題が解決することを望む。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★☆☆☆
【投資対象度】
★★★☆☆
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外部リンク
・CLOMA HP