AEPW 廃プラスチック問題解決を本格化
廃プラスチック問題解決に取り組むNGO「アライアンス・トゥ・エンド・プラスチックウエイスト(略省:AEPW)」がシンガポール本部での活動を本格化させている。環境への流出廃プラスチック量の多いアジア地域での活動方針やプラスチックリサイクルの在り方について発信した。今回はAEPWに関する最新情報を提供します。
目次
AEPWとは
アライアンス・トゥ・エンド・プラスチックウエイスト(略省:AEPW)は海洋を中心とする環境へ排出された廃棄プラスチック問題の解決を目的として2019年に設立された国際的な企業アライアンス(アライアンス:枠組み、同盟)。プラスチックの製造、加工、販売、廃棄に携わる各国企業が加盟している。AEPWのホームページに記載されている企業メンバーは52社(2021年2月時点)。日本からは三菱ケミカルHD、住友化学、三井化学が設立時から参画している。
アジア地域でのAEPWの活動方針
環境中に排出される世界の廃プラスチックの8割がアジア地域で発生しているとの統計結果から、AEPWはアジア地域での活動に重点を置いている。特に廃プラスチックの管理に焦点を当て、各国の政府、社会、企業、金融機関との協力関係を強めていく予定。また、失われるプラスチック資源はアジア地域のみで10兆円とされ、経済的な観点からもプラスチックのリサイクルシステムを確立すると発表している。廃プラスチックの管理、リサイクルに関する教育や安全な仕事の機会を提供し、安定的な収入を得ることで貧困から脱却する支援も活動内容に記載されている。
AEPWの今後の展開とリサイクルについての考え
AEPWは廃プラスチック関連への投資額を1000億円に積み増す。そのためにAEPWに加盟している企業だけではなく、金融機関との連携を強化する。世界銀行やアジア開発銀行は海洋プラスチックごみ問題、廃プラスチック管理に充当する相当な規模の融資枠を準備しており、投資会社も強い関心を持っていると公言している。
リサイクルについては、従来のエネルギーとしての回収では環境中への排出は防止できるが、資源循環を行うことが出来ないため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルへのシフトを促す予定。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★☆☆
【投資対象度】
★★☆☆☆
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外部リンク
Alliance To End Plastic Waste HP
https://endplasticwaste.org/en
住友化学 HP
https://www.sumitomo-chem.co.jp/
三菱ケミカルHD HP
https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/
三井化学 HP
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/index.htm