2019年度プラスチックリサイクル状況(プラスチック循環利用協会)
一般社団法人プラスチック循環利用協会がプラスチック製品の再資源化状況(リサイクル状況)などを纏めた2019年度フロー図を公表した。今回はプラスチック循環利用協会が発表したリサイクル状況について詳細な情報を提供します。
目次
詳細情報
一般社団法人プラスチック循環利用協会が発表した2019年度の廃プラスチックの有効利用率は85.3%と2018年から1.7%の増加であった。主にサーマルリサイクルの拡大が寄与している。2019年度のプラスチック生産量は約1,050万トン、廃プラスチック排出量は850万トンであった。
有効リサイクル率とリサイクル種別割合の推移
2019年のサーマルリサイクル率と二酸化炭素排出量
513万トンの廃プラスチックがサーマルリサイクルされており、排プラスチック量の60.4%がサーマルリサイクルに利用されたこととなる。サーマルリサイクルによってエネルギー回収を行っているとされるが、サーマルリサイクルにより生じる二酸化炭素量は約1,344万トンとなり、非常に多くの二酸化炭素が排出されていることが分かる。
二酸化炭素排出量算出に用いる排出係数(廃プラスチックの焼却時)
出典:地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドラインより引用
政府が進める「プラスチック資源循環戦略」と現状
サーマルリサイクルでは多くの二酸化炭素が焼却により排出されてしまう。そこで政府はサーマルリサイクルに代わるマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを拡大する方針を示した。しかしながら現状は厳しい状態が続いている。コロナウイルス感染拡大に伴い、使い捨てマスクの需要が高まっているが感染防止のため、焼却処分せざるを得ない。また、バーゼル法の発効により廃プラスチック輸出が制限され、79万トンの海外でのマテリアルリサイクルが減少することになる。
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外部リンク
一般社団法人プラスチック循環利用協会 HP
http://www.pwmi.or.jp/index.php
一般社団法人新エネルギー財団 HP
温室効果ガス排出量計算のための算定式
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/suishin_g/3rd_edition/ref2.pdf
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