清掃工場で二酸化炭素(CO2)回収・利用プロセスの実証試験開始(JFEエンジニアリング)
JFEエンジニアリング株式会社が清掃工場から排出される二酸化炭素(CO2)を用いたCO2回収・利用プロセス(CCUプロセス)の実証試験を開始した。三鷹市と調布市が整備した清掃工場「グリーンプラザふじみ」にCO2回収設備を設置して2022年末まで試験を行う予定。今回はJFEエンジニアリングのCCUプロセス実証試験に関する詳細な情報を提供します。
出典:クリーンプラザふじみの概要 | ふじみ衛生組合より引用
目次
詳細情報
概要
JFEエンジニアリング株式会社が清掃工場から排出される二酸化炭素(CO2)を用いたCO2回収・利用プロセス(CCUプロセス)の実証試験を開始した。三鷹市と調布市が整備した清掃工場「グリーンプラザふじみ」で実証試験を行うが、「グリーンプラザふじみ」はJFEエンジニアリングが設計・建築しており、障害無くCO2回収設備導入が行えるだろう。2021年早々にCO2分離回収装置を建設し、2022年末までに実証試験を完了する予定
清掃工場の排ガスの特徴
清掃工場から生じる廃ガスは高炉廃ガスと比較して発生量は少ないものの、塩化水素、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、重金属などを含んでいる。こうした有害物質の処理を適切に行い、CO2を回収する必要がある。JFEエンジニアリングは天然ガス開発サイトなどで実績のあるあみん吸着法を回収システムに採用することで、安全性が高く効率的なCO2回収を行う。また、清掃工場かで処理されるごみの約50%はバイオマスであるため、排出されたCO2を固定化出来れば、カーボンニュートラル性を一定数有するケミカルリサイクルが達成できる。
回収CO2の利用法検討
JFEエンジニアリングではCO2回収設備の実証試験と並行して回収したCO2の利用についても検討を進めていく。大手化学メーカーと共同でセメント原料となる炭酸塩や農業への利用、低炭素由来水素と反応させることでメタン、メタノールを製造するプロセスの開発を検討している。
出典:清掃工場の排ガスからCO2を回収する実証実験を開始 ~CO2回収提案の標準化(JFE CCU-Ready)~ | ニュースリリース | JFEエンジニアリング 株式会社より引用
JFEエンジニアリングの今後の展開
JFEエンジニアリングは今後受注を目指す清掃工場には「JFE・CCU・Ready」プラントとしてCCU設備設置を提案していく方針。これまでは、ごみを焼却し発電に利用するサーマルリサイクルを提案していたが、CCUによるケミカルリサイクルも提案の選択肢として加える。また、これまでにJFEエンジニアリング社はセメント業界でのCO2回収技術開発に着手しており、政府が掲げるカーボンニュートラル達成に大きく貢献することが予想される。
技術内容評価
【新規性】
★★★☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★☆☆
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外部リンク
JFEエンジニアリング株式会社 HP
ふじみ衛生協会 HP
https://fujimieiseikumiai.jp/cleanplaza/
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