【脱石油プラ】二酸化炭素原料のエチレン合成法研究(ブラスケム)
Bio-PE(バイオポリエチレン)の製造メーカーとして有名なBraskem S. A.(ブラスケム)社が二酸化炭素を原料としたエチレン生産手法の開発を発表した。今回はブラスケム社の挑む新たな環境対応エチレン合成に関する詳細な情報を提供します。
目次
Braskem S. A.(ブラスケム)社とは
Braskem S. A.(ブラスケム)社はブラジル・サンパウロに本社を置くブラジル最大の石油化学メーカー。2011年1月には世界で初めてサトウキビ由来のバイオポリエチレンの商業生産を開始。環境意識の高い欧州を中心に、バイオポリエチレンを販売し、南アメリカ大陸で3番目に大きな化学メーカーへ成長している。
二酸化炭素を原料としたエチレン合成
Braskem S. A.(ブラスケム)社はイリノイ大学と共同で二酸化炭素を原料とした環境配慮型のエチレン生産の新たな手法開発に着手する。産業用ボイラーから排出される二酸化炭素を回収し、エチレンへ変換。その後、ポリマー化を経て環境配慮型のポリエチレンを製造する。イリノイ大学が電気化学的な二酸化炭素の還元反応を開発し、ブラスケム社がスケールアップを支援する。新規なカーボンリサイクル技術として期待される。
今後の展開と課題
バイオポリエチレンを製造するブラスケム社がカーボンリサイクルに乗り出すことは非常に興味深い。脱石油資源、二酸化炭素削減の観点からも技術開発の動向を注視したい。しかしながら、二酸化炭素をエチレンに変換する際に、イリノイ大学の技術を駆使する場合、電気化学的な変換が予想される。二酸化炭素の回収やエチレンへの変換時に多量の電力を消費することで、LCA値が石油由来のポリエチレンよりも高い可能性も十分に考えられる。「脱石油」「二酸化炭素原料」「カーボンリサイクル」といった言葉に騙されず、本当の意味での地球環境に優しい技術の見極めが必要となるだろう。
技術内容評価
【新規性】
★★★★★
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★☆☆☆
【投資対象度】
★★☆☆☆
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外部リンク
ブラスケム社 HP
ブラスケム社Bio-PE関連 HP
http://plasticoverde.braskem.com.br/site.aspx/plastic-green
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