【SDGs】東洋紡 2050年までにバイオマスプラスチック比率100%へ
東洋紡株式会社が自社フィルム製品のバイオマス化を発表した。2050年までにバイオマスプラスチック含有製品比率を100%とする方針だ。今回は製品のバイオマス化に関して詳細な情報を提供します。
目次
詳細情報
東洋紡株式会社が自社フィルム製品のバイオマス化を発表した。2050年までにバイオマスプラスチック含有製品比率を100%とする方針だ。このビックプロジェクトを成功に導く鍵となるのが、100%バイオマス由来のポリエチレンフラノエート(PEF)だ。東洋紡はポリエチレンフラノエート(PEF)技術を有するオランダのアバンティウム社と長期的なパートナーシップを構築しており、2020年2月にはアバンティウム・ジャパンを設立させた。三井物産とともにポリエチレンフラノエート(PEF)市場の開発を進めていく予定である。
ポリエチレンフラノエート(PEF)とは?
ポリエチレンフラノエート(PEF)はバイオマス由来のエチレングリコールと糖質原料から製造されるフランジカルボン酸を原料として合成される100%バイオマス由来ポリマーである。世界的に幅広く使用されているポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂に近い物性を持ち合わせ、飲料ボトルやフィルムなどへの用途展開が期待されている。最大の特徴は酸素ガスバリア機能を有している点で、PET樹脂と比較してポリエチレンフラノエート(PEF)は酸素ガスバリア性が10倍程度高いことが確認されている。バイオマス率100%でありながら、ガスバリア性を有する期待の素材である。
技術内容評価
【新規性】
★★★☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★☆☆☆☆
【投資対象度】
★☆☆☆☆
筆者の個人的な意見(あくまで個人の意見です)
ポリエチレンフラノエート(PEF)はバイオマス由来でバリア性が高く、世界的に注目されている材料である。ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂の代替素材としても期待されているが、コスト面や供給面からポリエチレンフラノエート(PEF)プロジェクトの断念が続いている。また、世界的に幅広く使用されているPET樹脂の置き換えとなるとそのハードルは一段と高くなると想像できる。もちろん注目素材ではあるが、ポリエチレンフラノエート(PEF)関連の投資には慎重になるべきだろう。
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外部リンク
東洋紡株式会社HP
Avantium(アバンティウム)社HP