【生分解性プラ】酢酸セルロースベース「NEQAS OCEAN」
株式会社ダイセルと三和商会が生分解性バイオマスプラスチック「NEQAS OCEAN」を共同開発した。天然由来の生分解性プラスチックは新型コロナウイルス感染拡大で進む”使い捨て容器の見直し"を背景に、アフターコロナ、ウィズコロナ時代に対応し得るエコ材料の供給を狙っている。今回は「NEQAS OCEAN」に関して詳細な情報を提供します。
引用:NEQAS OCEAN | 三和商会グループHPより引用
目次
詳細内容
「NEQAS OCEAN」は株式会社ダイセル社の酢酸セルロースと可塑剤、三和商会のコンパウンド技術を掛け合わせることで優れた成形性や物性を有する天然由来プラスチックである。食品包装材料を中心に用途展開を行っている。可塑剤を30%程度配合した「OCEAN100」やタルクを30%混合することで曲げ弾性率を高めた「OCEAN30T」をラインナップしている。
「NEQAS OCEAN」とは?
「NEQAS OCEAN」は木由来のパルプを原料として製造される天然由来プラスチックである酢酸セルロースを主材として使用している。酢酸セルロースは強度や透明性が高いといった特性を有しており、「NEQAS OCEAN」も同性能を有している。また、生分解性や海洋分解性が確認されており、新たな海洋分解性プラスチックとして期待される。この酢酸セルロースに三和商会のコンパウンド技術を用い、ダイセルが手掛ける安全性が高い可塑剤をコンパウンドすることで、優れた機械特性を発現させることが可能となっている。実際に「NEQAS OCEAN」の成形材料は耐熱性、耐溶出性、耐臭性などの特性がコンパウンドにより付与され、射出成型や押出成形に対応可能な樹脂物性となっている。
「NEQAS OCEAN」の展開
「NEQAS OCEAN」は食品包装材料やワンウェイ用途のプラスチック成型体への応用が期待されるため、射出成型性や押出成形性を高めていくとのこと。また、海洋分解性が2倍となる酢酸セルロースの適応を検討するとのこと(おそらくアセチル置換度を低下させ、海洋分解速度を上げると筆者は推測)。アフターコロナ、ウィズコロナ時代に対応し得るエコ材料として展開されるだろう。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★☆☆
関連記事
乳たんぱく由来の新規バイオマスプラスチック
古紙と生分解性プラスチックから新素材
廃棄プラスチックを発電燃料へ(東京理科大学発ベンチャー)
室温条件で二酸化炭素からメタン合成(静岡大学)
外部リンク
株式会社ダイセル HP
三和商会グループ HP
関連タグ