エコビジネスデータバンク

バイオマスプラスチック、生分解性プラスチックを中心にエコマテリアル技術、開発動向を取り纏めた情報サイト。「バイオポリエチレン」「ポリ乳酸」「PHBH」などの注目素材を始めとし「紙製バリア材料」「リサイクル技術」等幅広い環境ビジネスの最新情報を届けます。

【エコビジ】バイオプラ市場拡大予測

 

 海洋プラスチックごみ問題、持続可能な開発目標(SDGs)の浸透、サーキュラーエコノーミーへの転換を背景にバイオプラスチック市場が拡大している。2021年以降も堅調な成長が予測されている。今回はバイオプラスチックの分類や種類、イオプラスチック市場情報を提供します。

 

 

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【エコビジネスデータバンク】バイオマス市場拡大予測

出典:バイオマスプラスチック入門 – JBPAより引用

 

 

 

目次

 

 

 

 

 

バイオプラスチック市場拡大の背景

 

 バイオプラスチック市場は環境意識の高い欧州を中心に拡大している。市場拡大を後押ししているのは海洋プラスチックごみ問題、SDGs、ESG経営の浸透と考えられる。特に世界的なブランドオーナーや流通企業を中心にバイオプラスチックの導入が急速に拡大している。日本においても「プラスチック資源循環戦略」が掲げられ、2030年までにバイオプラスチックを197万トン導入すると目標が存在するため、日本企業においてもバイオプラスチックの採用が拡大している。

 

 

 

 

 

バイオプラスチックの種類と分類

 

 バイオプラスチック生分解性プラスチックバイオマスプラスチックの2種類に分類される。起源物質や性質が大きくことなるため、一色単にバイオプラスチックと理解するのではなく、生分解性プラスチックバイオマスプラスチックに分かれていることを覚えておくべきだろう。

 

 

 

 

 

生分解性プラスチックとは?

 

 バイオプラスチックの1つである生分解性プラスチックは名前の通り、自然環境で分解し、最終的に水と二酸化炭素に分解されるプラスチックを示します。原料は石油由来、植物由来を問わず、生分解するプラスチックであれば生分解性プラスチックに分類されます。特に注目されているのが3-ヒドロキシ酪酸とサンヒドロキシヘキサン酸の共重合体PHBH)で、海洋分解性を有していることから欧州を中心に採用が拡大している。

 

 

 

 

 

生分解性プラスチック

PLA:ポリ乳酸

PHBH:3-ヒドロキシ酪酸とサンヒドロキシヘキサン酸の共重合体

PBS:ポリブチレンサクシネート

PHA:ポリヒドロキシアルカノエート

 

 

 

 

 

バイオマスプラスチックとは?

 

 バイオプラスチックの2つ目はバイオマスプラスチックである。バイオマスプラスチックは再生可能なバイオマス資源(植物など)を原料に合成されたプラスチックです。原料にトウモロコシ由来の澱粉や糖を用いることが多く、生分解性は問いません。しかしながら、プラスチックが焼却処分した場合でもバイオマスの持つカーボンニュートラル性から大気中の二酸化炭素濃度を数値上 上昇させないといった特徴があります。また、植物を起源に製造されるため、石油資源への依存度を下げることにも貢献出来ます。

 

 

 

 

 

バイオマスプラスチック例

BioPET:バイオペット(バイオマス由来モノマーを部分的に使用)

BioPE:バイオポリエチレン

BioPA:バイオポリアミド(バイオマス由来モノマーを部分的に使用)

Starch-compound:デンプンコンパウンド

 

 

 

 

 

バイオプラスチックの出荷量(日本)

 

 バイオプラスチックの国内出荷量は2018年時点で、生分解性プラスチックが3,700トン、バイオマスプラスチックが41,057トンである。総バイオプラスチック出荷量の推移は、2015年では35,638トン、2017年では39,556トン、2019年では46,650となっており、直近5年間の市場成長率は約9%と高成長を遂げている。

 

 

 

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【エコビジネスデータバンク】日本のバイオプラスチック出荷量(2018)

出典: 日本バイオプラスチック協会より引用

 

 

今後のバイオプラスチック市場の予測

 

 今後のバイオプラスチック市場の主軸は海洋分解性プラスチックになることは明確だ。ムーンショット型研究開発制度においても海洋分解性プラスチック関連のプロジェクトが3テーマ採択されており、約200億円規模の公的資金が投入される。海洋分解性プラスチック市場の動向に注目すべきだろう。既存のバイオプラスチックとしてはポリ乳酸(PLA)が大きく採用を拡大する可能性が高い。2020年のポリ乳酸輸入量は2019年度と比較して74%増加しており、生分解性プラスチックの主流となるだろう。

 

 

 

 

 

市場性評価

【新規性】

★★★☆☆

【経済への影響度】

★★★★★

SDGs貢献度】

★★★★☆

【実現性】

★★★☆☆

【投資対象度】

★★★★★

 

 

 

 

 

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外部リンク

 

カネカHP

https://www.kaneka.co.jp/

 

ムーンショット型研究開発制度採択テーマ

https://www.nedo.go.jp/content/100922202.pdf

 

 

 

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