東洋スチレン PS新規リサイクル技術導入へ
ポリスチレン(PS)樹脂国内大手製造メーカーである東洋スチレン株式会社がポリスチレン製のプラスチックを化学的に処理し、ケミカルリサイクルの検討を進めることを発表した。
米国でポリスチレンのケミカルリサイクルを実施しているアジリックス社とライセンス契約を締結し、2021年度末を目処に3000 t/y の実証プラントを稼働させる予定。
ポリスチレンのケミカルリサイクルに取り組むのは東洋スチレン社が初となる。
目次
ライセンス契約の特徴
・ポリスチレンのケミカルリサイクルは国内初の試み
・アジリックス社の技術を導入
・投資額は数十億円と推定される
・食品用途への利用計画
アジリックス社技術の特徴
・ポリスチレン樹脂を熱分解(400〜600℃)し、ガス化後に急速に冷却して液体にする
・液体を精製設備にて不純物を除去し、スチレンモノマーのみを回収する
・高い回収率を誇る
・食品包装材料として利用したポリスチレンをマテリアルリサイクル可能
マテリアルリサイクルの課題
日本ではマテリアルリサイクルが思うように進んでいない。
リサイクルすべきプラスチック材料はワンウェイ(一度使用したら捨てることを意味する)用途が多く、その大多数が食品包装である。
食品包装材料として使用されたプラスチックは食品由来の油、たんぱく質によって汚染されてしまうため、リサイクル性が低下する。
特に、マテリアルリサイクルの場合、純度の高いモノマーに変換しなくてはならないため、困難といえる。
また、上記技術の特徴にも示したが、マテリアルリサイクルでは高温・高圧条件で処理することが多く、エネルギーコスト的にどうしても高価になってしまう。
東洋スチレン社がアジリックス社の技術を導入し、市場に受け入れられる品質・価格のマテリアルリサイクル ポチスチレンを供給出来るかが鍵となりそうだ。
リンク
・東洋スチレンHP