【生分解性】化粧品原料の生分解性予測の開発へ(資生堂&NITE)
化粧品大手メーカーである資生堂と製品評価技術基盤機構(通称:NITE)は化粧品原料の生分解性を予測する方法の開発に向けて共同研究を発表した。
NITEの情報や設備を外部機関に提供するイノベーション協創プログラムの一環であり、化学構造から生分解性を予測するNITEの技術を化粧品原料に応用する。
目次
化粧品の生分解性の必要性
化粧品は男性・女性問わず多くの人々が毎日欠かさず使用します。また、化粧品は顔や手足等洗い流す箇所へ使用することが多い。そのため、化粧品に使用されている合成樹脂が海洋や土壌等の自然界に流出し、環境汚染を引き起こす可能性があり、材料の生分解性が必要となる。
こうした課題に対して、化粧品大手メーカーである資生堂が化粧品原料の生分解性材料への切り替えを推進しており、化学構造から生分解性を予測する技術データバンクを有するNITEと共同研究を発表した。
共同研究の意義
共同研究の鍵となるのが、2社が独自に有する技術の融合だ。資生堂は化粧品原料の開発技術や豊富なヒト試験データ等を持ち、NITEは10年以上にわたって蓄積した化学物質の安全性試験のデータベースを有している。
両社の強みを融合させることで高精度で生分解性を予測、数秒で予測結果を算出可能であるため、大幅な時間の短縮が可能とある。また、これまでは動物実験や微生物による生分解性試験を実施していたが、それら手法に代わる新規化学物質の審査手法として注目が集まる。
資生堂は生分解性予測技術を確立し、将来的に環境負荷の少ない新規原料開発へ活用することを発表している。
技術内容評価
【新規性】
★☆☆☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★☆☆
【実現性】
★★★★★
【投資対象度】
★★★☆☆
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リンク
・資生堂 HP
・NITE HP
・化粧品の環境汚染情報
https://www.env.go.jp/water/marine_litter/08_HaruyukiKANEHIRO.pdf