ウレタン樹脂硬化剤の環境対応製品を拡充(旭化成)
旭化成株式会社が自動車用塗料などの原料となるウレタン樹脂硬化剤の環境対応製品を拡充する。世界的な環境規制の強まりやカーボンニュートラルの潮流を捉えて収益拡大を目指す。今回は旭化成の環境対応製品拡充に関する詳細情報を提供します。
目次
詳細情報
旭化成株式会社の樹脂硬化剤「デュラネート」はポリイソシアネートに脂肪系イソシアネートのヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を結合させたオリゴマーで、ポリオールとの反応で3次元架橋構造を有するウレタン樹脂にすることが可能。様々な環境対応デュラネートシリーズをラインナップしている。継続定期な技術開発を行い、デュラネート全体に占める環境対応製品の比率を50%以上に高める計画を立てている。
低粘度タイプのデュラネートシリーズ
デュラネートの低粘度タイプ「TUL-100」「TLA-100」は希釈用の有機溶媒量を減らすことが可能となり、VOC(揮発性有機溶媒)の排出を15~20%程度抑制することが出来る。希釈する有機溶媒が少ないため平滑性が高まり、塗装がより綺麗に仕上がることも大きな特徴である。
水系塗料「Wシリーズ」
旭化成は環境対応製品として水分散グレード「Wシリーズ」を拡充している。ウレタン樹脂の構造中に水酸基を持たせることで親水性を高め、用途に合わせて耐候性や密着性などの機能を付与している。環境意識が高く、水系塗料の普及が進む自動車の中塗り塗装やベース塗装などの用途向けに採用を狙う予定。
低温タイプのブロックイソシアネートの開発
ブロックイソシアネートは付加反応に関わる部分を封止材で保護し、熱をかけると封止材が外れてウレタン樹脂の硬化が始まる製品。1液型の塗料はポットライフが長く、自動車の中塗りやベース塗装などでも普及している。旭化成が展開する低温タイプのブロックイソシアネートは樹脂の硬化温度が90℃で、従来製品と比較して30~40℃程度低い温度で硬化が可能。焼き付け温度が下がるため、塗装工程の二酸化炭素排出量を削減することが出来る。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★☆☆
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外部リンク
旭化成株式会社 HP
https://www.asahi-kasei.com/jp/