ナイジェリアでプラスチックリサイクル教育(住友化学)
住友化学がナイジェリアでプラスチックリサイクル教育を支援することを発表した。今回は住友化学の環境教育支援に関する情報を提供します。
出典:https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20210114.htmlより引用
目次
詳細情報
住友化学社がナイジェリアでプラスチックリサイクル教育を支援すると発表した。全治財団によるプラスチックリサイクル意識の向上を目指すプロジェクト「クリーン・アウア・ワールド」に約520万円を寄付した。住友化学社は2005年からNGOなどと連携し、小中学校の建設を支援している。
ナイジェリアでは年間3,200万トンのごみが発生しており、30%を超える約1,000万トンのプラスチックごみが排出されている。そのほとんどが適切に廃棄されず、環境へ流出している。また、流出したプラスチックごみにより排水管の詰まりや、海洋汚染が引き起こされている。エネルギー関連事業を行っているオアンドグループが設立したオアンド財団は2020年、「クリーン・アウア・ワールド」プロジェクトを立ち上げ、ラゴス近郊で教材提供や地域清掃活動などを通じて、小学生に廃棄プラスチック問題やリサイクルの知識を学ぶ機会を提供している。
出典:https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20210114.htmlより引用
技術内容評価
【新規性】
★★★★☆
【経済への影響度】
★★☆☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★★
【実現性】
★★★★★
【投資対象度】
★☆☆☆☆
関連記事
プラスチックリサイクル状況最新情報
欧州のプラスチックリサイクル率最新情報
再生PET工場新設(ポリプレックス)
環境配慮型メガネ開発(内田プラスチック)
外部リンク
住友化学株式会社 HP
https://www.sumitomo-chem.co.jp/
関連タグ
AEPW 廃プラスチック問題解決を本格化
廃プラスチック問題解決に取り組むNGO「アライアンス・トゥ・エンド・プラスチックウエイスト(略省:AEPW)」がシンガポール本部での活動を本格化させている。環境への流出廃プラスチック量の多いアジア地域での活動方針やプラスチックリサイクルの在り方について発信した。今回はAEPWに関する最新情報を提供します。
目次
AEPWとは
アライアンス・トゥ・エンド・プラスチックウエイスト(略省:AEPW)は海洋を中心とする環境へ排出された廃棄プラスチック問題の解決を目的として2019年に設立された国際的な企業アライアンス(アライアンス:枠組み、同盟)。プラスチックの製造、加工、販売、廃棄に携わる各国企業が加盟している。AEPWのホームページに記載されている企業メンバーは52社(2021年2月時点)。日本からは三菱ケミカルHD、住友化学、三井化学が設立時から参画している。
アジア地域でのAEPWの活動方針
環境中に排出される世界の廃プラスチックの8割がアジア地域で発生しているとの統計結果から、AEPWはアジア地域での活動に重点を置いている。特に廃プラスチックの管理に焦点を当て、各国の政府、社会、企業、金融機関との協力関係を強めていく予定。また、失われるプラスチック資源はアジア地域のみで10兆円とされ、経済的な観点からもプラスチックのリサイクルシステムを確立すると発表している。廃プラスチックの管理、リサイクルに関する教育や安全な仕事の機会を提供し、安定的な収入を得ることで貧困から脱却する支援も活動内容に記載されている。
AEPWの今後の展開とリサイクルについての考え
AEPWは廃プラスチック関連への投資額を1000億円に積み増す。そのためにAEPWに加盟している企業だけではなく、金融機関との連携を強化する。世界銀行やアジア開発銀行は海洋プラスチックごみ問題、廃プラスチック管理に充当する相当な規模の融資枠を準備しており、投資会社も強い関心を持っていると公言している。
リサイクルについては、従来のエネルギーとしての回収では環境中への排出は防止できるが、資源循環を行うことが出来ないため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルへのシフトを促す予定。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★☆☆
【投資対象度】
★★☆☆☆
関連記事
参画企業 住友化学のケミカルリサイクル事業
参画企業 三菱ケミカルHDの海洋分解性プラスチック事業
参画企業 三菱ケミカルHDの生分解性プラスチック事業
東洋スチレン ポリスチレンの新規リサイクル技術導入
外部リンク
Alliance To End Plastic Waste HP
https://endplasticwaste.org/en
住友化学 HP
https://www.sumitomo-chem.co.jp/
三菱ケミカルHD HP
https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/
三井化学 HP
https://jp.mitsuichemicals.com/jp/index.htm
関連タグ
ペットボトルキャップ由来ごみ袋の製造・販売の実証実験開始(TBM&神戸市)
新素材「LIMEX」のベンチャー企業のTBM社が神戸市と環境配慮型の指定ごみ袋の製造・販売を行う実証実験を始めたと発表した。今回はTBM社のリサイクル事業について詳細な情報を提供します。
出典:https://www.city.kobe.lg.jp/a36643/press/667498062889.htmlより引用
目次
詳細情報
新素材「LIMEX」で有名なベンチャー企業のTBMが神戸市と環境配慮型の指定ごみ袋の製造・販売を行う実証実験を始めたと発表した。神戸市内で使用されたPETボトルキャップを回収し、原料として活用する。リサイクルプラスチックを活用したごみ袋は国内初となる。スタートアップと神戸市職員との共同で地域課題解決プロジェクト「Urban Innovation KOBE」の一環として取り組む。
神戸市内のダイエー、生活協同組合コープこうべ、光洋にPETボトルキャップを回収するボックスを計92カ所設置する。また、ネスレ日本などの協力で企業のオフィスで生じるPETボトルキャップを引き取る計画となっている。約15万個のPETボトルキャップの回収を目標とする。神戸市指定ごみ袋はジャパックス社の協力で5万枚を製造する。
回収したPETボトルキャップは「CirculeX」として使用する。ポリエチレン製を中心にごみ袋構成の約30%に充て、残りの68%は神戸市内の工場で使用されたストレッチフィルムで賄うことで98%を再生品で構成する。
PETボトルキャップ由来ごみ袋の特徴
・ごみ袋1枚当たりPETボトルキャップ3個を使用
・従来の石油由来100%製品と比較して50%の二酸化炭素排出量削減
・色、厚さ、強度ともに従来製品と同等
・従来製品と比較して2~3割程度価格が高い
CirculeX(サーキュレックス)とは?
TBM社が2020年に立ち上げた新ブランド「CirculeX」は再生材料を50%以上含む素材です。世界全体で高まる再生材料やプラスチック代替素材へのニーズに応えるべく、「CirculeX」 を資源循環を促進する素材として幅広い領域での製品開発を目指し、国内外に展開。また、使用済みのプラスチック製品やLIMEX製品の回収を促進する「CirculeXアプリ」のサービスを2021年1月より開始。消費者は回収拠点にてアプリを通じて「プラスチックごみ」を「CirculeX ポイント」と交換することができ、TBMが運用するサイト「ZAIMA」や社会貢献団体への寄付として使用することが可能。
技術内容評価
【新規性】
★★★★☆
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★☆☆
【実現性】
★★★☆☆
【投資対象度】
★★★★☆
関連記事
プラスチックリサイクル状況最新情報
欧州のプラスチックリサイクル率最新情報
再生PET工場新設(ポリプレックス)
環境配慮型メガネ開発(内田プラスチック)
外部リンク
株式会社TBM HP
株式会社ダイエー HP
生活協同組合コープ HP
株式会社ジャパックス HP
神戸市 HP
関連タグ
ポリプレックス 再生PET工場新設 米国FDA認証取得の高品質再生PET供給体制強化
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム大手のポリプレックス社が再生PETを手掛けるリサイクルプラスチックの第2工場の新設を発表した。ポリプレックス社は再生PET樹脂の生産能力を1.8倍まで拡大し、米国FDAからの認証を取得した高品質の再生PET樹脂の供給力を強化する。今回はポリプレックス社の再生PET樹脂事業に関する詳細な情報を提供します。
目次
Polypex(ポリプレックス)社とは
Polypex(ポリプレックス)社はタイを拠点とする企業で、PETフィルムやポリプロピレン、ポリエチレンフィルムなどの汎用プラスチック材料を製造している。近年、再生PET事業やリサイクルし易いモノマテリアルフィルムの開発に注力している。2020年3月以降株価が大きく上昇しており、ESG投資対象として世界的に注目されている。
出典:BKK: PTL - Google 検索より引用
再生PET樹脂工場新設内容
ポリプレックス社は既存工場のあるタイ ラヨン県サイアム・イースタン工業団地内にリサイクルの第2工場を建設する。2021年下期の完成を予定しており、再生PETの生産能力が1万5,000トンから2万7,500トンに引き上がる。また、汎用プラスチックの再生としては第2工場新設により、再生ポリエチレン、再生ポリプロピレンの合計生産量が5,000トンから1万トンに引き上がる予定。新工場には洗浄装置も設ける計画。既存の押出機、固相重縮合の拡張に加え、前工程の洗浄から手がける体制が整う。
再生PET樹脂工場新設の背景
廃プラスチック問題をはじめ環境問題の高まりから循環型経済の構築を目指す動きが世界的に強まっている。実際にブランドオーナーを中心に再生樹脂の需要は高まっており、再生PET樹脂の採用実績も増加している。とくに飲料メーカーがボトルtoボトル率向上の検討を始めている。
ポリプレックス社の再生PET技術の特徴
ポリプレックス社は独自に開発した3次元濾過システムによる高度な異物除去技術を有する。高度な異物除去が可能であるため、高純度な再生PET樹脂を製造することが出来る。実際にポリプレックス社で製造された再生PET樹脂は米国FDA ボトル用グレードの認証を取得している。また、リサイクル含有物や加工・流通過程管理などに基づく国際的な環境基準グローバルリサイクルスタンダード認証も取得している。
技術内容評価
【新規性】
★★☆☆☆
【経済への影響度】
★★★★☆
【SDGs貢献度】
★★★☆☆
【実現性】
★★★★★
【投資対象度】
★★★★☆
関連記事
協栄J&T環境 PETボトルリサイクル
住友化学 ケミカルリサイクルに注力
蝶理 再生PETペレット事業参画
東洋紡STC 環境配慮型素材強化
外部リンク
ポリプレックス社 HP
https://www.polyplexthailand.com/
関連タグ
2019年度プラスチックリサイクル状況(プラスチック循環利用協会)
一般社団法人プラスチック循環利用協会がプラスチック製品の再資源化状況(リサイクル状況)などを纏めた2019年度フロー図を公表した。今回はプラスチック循環利用協会が発表したリサイクル状況について詳細な情報を提供します。
目次
詳細情報
一般社団法人プラスチック循環利用協会が発表した2019年度の廃プラスチックの有効利用率は85.3%と2018年から1.7%の増加であった。主にサーマルリサイクルの拡大が寄与している。2019年度のプラスチック生産量は約1,050万トン、廃プラスチック排出量は850万トンであった。
有効リサイクル率とリサイクル種別割合の推移
2019年のサーマルリサイクル率と二酸化炭素排出量
513万トンの廃プラスチックがサーマルリサイクルされており、排プラスチック量の60.4%がサーマルリサイクルに利用されたこととなる。サーマルリサイクルによってエネルギー回収を行っているとされるが、サーマルリサイクルにより生じる二酸化炭素量は約1,344万トンとなり、非常に多くの二酸化炭素が排出されていることが分かる。
二酸化炭素排出量算出に用いる排出係数(廃プラスチックの焼却時)
出典:地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドラインより引用
政府が進める「プラスチック資源循環戦略」と現状
サーマルリサイクルでは多くの二酸化炭素が焼却により排出されてしまう。そこで政府はサーマルリサイクルに代わるマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを拡大する方針を示した。しかしながら現状は厳しい状態が続いている。コロナウイルス感染拡大に伴い、使い捨てマスクの需要が高まっているが感染防止のため、焼却処分せざるを得ない。また、バーゼル法の発効により廃プラスチック輸出が制限され、79万トンの海外でのマテリアルリサイクルが減少することになる。
関連記事
欧州のプラスチックリサイクル率
ケミカルリサイクルに注力(住友化学)
PETリサイクル事業参画(蝶理)
外部リンク
一般社団法人プラスチック循環利用協会 HP
http://www.pwmi.or.jp/index.php
一般社団法人新エネルギー財団 HP
温室効果ガス排出量計算のための算定式
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/suishin_g/3rd_edition/ref2.pdf
関連タグ
【低炭素化】廃棄プラスチック由来の電気で植物工場(昭和電工&東急REIホテル)
昭和電工株式会社が廃棄プラスチックから作る低炭素水素由来の電気を使用する植物工場で野菜を育てる仕組みが川崎キングスカイフロント東急REIホテルで始まった。また、水素を利用して電気や温水を作る「世界発の水素ホテル」に廃棄プラスチック由来の水素をパイプラインで供給する。今回は昭和電工株式会社と川崎キングスカイフロント東急REIホテルの低炭素水素で資源循環に関する取り組みの詳細情報を提供します。
出典:世界初の水素ホテルの仕組み|東急REIホテル【公式】より引用
目次
詳細情報
昭和電工株式会社と川崎キングスカイフロント東急REIホテルが提携し「世界発の水素ホテル」に挑戦する。昭和電工社が廃棄プラスチックを熱分解することで水素を取り出す。得られた低炭素水素由来の電気を使って川崎キングスカイフロント東急REIホテル内で野菜を育てる。植物工場には水素供給のみならず、昭和電工社の高速栽培技術が採用されている。LED照明を使う完全人工光型の植物工場で、赤色と青色の光を交互に照射することで通常の栽培と比較して成長が早く、大きく育つ。同ホテル内の植物工場では1日に最大で12株の野菜が収穫が可能。また、川崎キングスカイフロント東急REIホテルは燃料電池で電気や温水を作り、使用するエネルギーの30%を水素で賄う。使用する水素はパイプラインで昭和電工社から供給される。
技術内容評価
【新規性】
★★★★★
【経済への影響度】
★★★☆☆
【SDGs貢献度】
★★★★☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★★☆
関連記事
伊藤忠商事の環境ビジネスに関してはこちら↓↓
乳タンパク質由来プラスチック販売権獲得(伊藤忠商事)
海洋分解性プラスチックの情報はこちら ↓↓
ラクティプス社へ出資(三菱ケミカルHD)
環境ビジネス強化に関する情報はこちら ↓↓
環境ビジネス強化に関する情報(三井物産)
プラスチック循環システムに関する情報はこちら ↓↓
PHBH循環システムに関する情報(カネカ)
外部リンク
昭和電工株式会社 HP
川崎キングスカイフロント東急REIホテル HP
https://www.tokyuhotels.co.jp/kawasaki-r/
関連タグ
次世代環境配慮製品に関する新プロジェクトを本格化(日清紡HD)
日清紡ホールディングスが次世代環境配慮製品に関する2つのプロジェクトを本格化させることを発表した。今回は日清紡HDの環境ビジネスに関するプロジェクトについて詳細な情報を提供します。
出典:http://www.aichi-inst.jp/newsrelease/up_docs/r020204cnfconf.pdfより引用
目次
概要
日清紡ホールディングスが次世代環境配慮製品に関する2つのプロジェクトを本格化させることを発表した。1つ目のプロジェクトはシャツのケミカルリサイクルで信州大学と共同研究を開始している。2つ目のプロジェクトは裁断くずなどを活用したセルロースナノファイバーに関するプロジェクト。日清紡HDはプロジェクトを本格化し、長期的な地球環境に優しいものづくりによる成長を目指す。
Project 1:シャツのケミカルリサイクル
日清紡HDが進める環境配慮型プロジェクトの1つ目はシャツのケミカルリサイクルだ。シャツ再生プロジェクトは信州大学と共同研究を開始。2023年内の試験生産を目指して開発を進める。同プロジェクトでは日清紡HDが開発したイオン液体を用い、シャツに含まれるセルロースを溶解させ、セルロースフィラメントを生成する。開発したイオン液体は安全性が高く、環境汚染のリスクがすくないといった特徴を有する。再生したセルロース繊維は綿と同等の強度を目指す。
日清紡HDの出願特許に記載されているイオン液体の構造
出典:特許5866829 | 知財ポータル「IP Force」より引用
Project 2:裁断くずなどを活用したセルロースナノファイバー事業
日清紡HDが進める環境配慮型プロジェクトの2つ目は裁断くずを活用したセルロースナノファイバーに関するプロジェクト。裁断くずを粗粉砕し、高圧湿式処理によりコットンセルロースナノファイバーを製造する。コットンセルロースナノファイバーは石けんのスクラブ剤への応用を進めている。コットンセルロースナノファイバーは生分解性を有しており、マイクロプラスチックの代替素材として環境負荷低減への貢献が期待される。
コットンセルロースナノファイバーのSEM写真
出典:http://www.aichi-inst.jp/newsrelease/up_docs/r020204cnfconf.pdfより引用
技術内容評価
【新規性】
★★★★☆
【経済への影響度】
★★☆☆☆
【SDGs貢献度】
★★★☆☆
【実現性】
★★★★☆
【投資対象度】
★★★☆☆
関連記事
再生発砲ポリプロピレン事業(JSP)
リサイクルPETを使用したメガネ開発(内田プラスチック)
欧州のプラスチックリサイクル率最新情報
ケミカルリサイクルに注力(住友化学)
外部リンク
日清紡ホールディングス HP
https://www.nisshinbo.co.jp/index.html
国立大学法人信州大学 HP
関連タグ